アナフィラキシー・食物アレルギー
膨疹とショックから、アドレナリン筋注・食物アレルギーまで
46問
第101〜120回
マーカー 3回以上出題点線 1〜2回出題
まずこれだけ
- 原因に触れて数分〜30分で、全身の膨疹に喘鳴や頻脈・血圧低下が加わればアナフィラキシー。原因は食物・ハチ・抗菌薬・造影剤など。
- すぐアドレナリンを筋注する(大腿の前外側、0.01 mg/kg、成人は最大0.5 mg)。皮下注ではない。抗ヒスタミン薬・ステロイドは補助で、アドレナリンの代わりにならない。
- 小麦・甲殻類を食べたあとの運動で起これば、食物依存性運動誘発アナフィラキシー。食後2時間は運動しない。自己注射薬(エピペン)を持たせ、原因はプリックテストで探す。
起こり方と原因
アレルゲンがIgEを介して肥満細胞・好塩基球を刺激し、ヒスタミンなどが一度に出て、全身に急な症状が起こるのがアナフィラキシー(Ⅰ型(即時型)アレルギー)。造影剤などは、IgEを介さずに肥満細胞を直接刺激することもあるが、症状と治療は同じ。血圧が下がり意識が悪くなれば、アナフィラキシーショック。
| 食物 | 鶏卵・牛乳・小麦・甲殻類・木の実類・落花生など。子どもに多い。食べたあとの運動で起こる型もある(→特殊な型) |
|---|---|
| ハチ | 刺されて数分〜十数分で起こる。以前にも刺されたことがある人に多い(1回目で感作される) |
| 薬 | 抗菌薬(点滴でも内服でも)・解熱鎮痛薬(NSAIDs)・局所麻酔薬(リドカイン)・輸血・抗がん薬・生物学的製剤 |
| 造影剤 | ヨード造影剤の静注の直後。前に造影剤で副作用が出た人・気管支喘息の人に多い |
| ラテックス | 天然ゴムの手袋・カテーテル。医療者や、手術をくり返した人に多い(→特殊な型) |
- 病歴では直前の食事・ハチなどの刺傷・食後の運動・使った薬を聞く。アトピー性皮膚炎の有無は、今回の原因探しには直接つながらない。
- 血管が広がり、血漿が血管の外へ漏れる血液分布異常性ショック。体血管抵抗↓・中心静脈圧↓・肺動脈楔入圧↓で、心拍出量は初め保たれるか↑。
症状と診断
多くは原因に触れて数分〜30分ほどで始まり(食物では2時間以内が多い)、皮膚から呼吸・循環・消化管へ広がる。
| 皮膚・粘膜 | 全身の膨疹(蕁麻疹)・紅潮・かゆみ。口唇・眼瞼の腫れ |
|---|---|
| 呼吸器 | 喘鳴(気管支の収縮)・呼吸困難・SpO2の低下。嗄声・吸気性喘鳴は喉頭浮腫のしるしで、窒息の危険 |
| 循環 | 頻脈・血圧低下。目の前が暗くなる・意識がもうろうとする・失禁 |
| 消化器 | 嘔吐・腹痛。子どもに多く、皮膚の症状より先に出ることもある |
診断(アナフィラキシーガイドライン2022)
- 皮膚・粘膜の症状が急に出て、さらに呼吸器の症状・血圧低下(またはそれによる失神・失禁など)・強い消化器の症状のどれか1つ。
- 原因と分かっているもの(またはその疑いが強いもの)に触れたあとなら、皮膚の症状がなくても、急な血圧低下・気管支攣縮・喉頭の症状だけで診断する。
- 血圧低下の目安:成人は収縮期90 mmHg未満か、ふだんより30%以上の低下。
治療:アドレナリン筋注
- ① 原因を止め、人を呼ぶ点滴・輸血・造影剤は中止
- ② アドレナリン筋注大腿の前外側に0.01 mg/kg
- ③ 仰臥位・下肢挙上急に座らせない・立たせない
- ④ 酸素・気道・輸液挿管の準備、生理食塩液を急速に
- ⑤ 補助の薬抗ヒスタミン薬・β2刺激薬・ステロイド
- 原因の点滴・輸血はすぐ止める(静脈路は残す)。
- 第一選択はアドレナリン。α作用で血管を縮めて血圧を上げ、むくみを減らす。β作用で気管支を広げ、肥満細胞からの放出を抑える。
- 筋注(大腿の前外側)。量は0.01 mg/kg(成人は最大0.5 mg、小児は最大0.3 mg)。効果が足りなければ5〜15分ごとにくり返す。皮下注は吸収が遅く、今は勧めない。静注は心停止のときなどに限る。
- ショックになる前に、診断した時点で打つ。不整脈・心臓病の人、妊婦にも打つ(打ってはいけない人はいない)。
- 喉頭浮腫に備え、酸素・気道確保と気管挿管の準備(喉頭鏡)。心電図・血圧をモニターする。胃管は要らない。
- 抗ヒスタミン薬・β2刺激薬・ステロイドは補助。血圧と喉頭のむくみは戻せず、アドレナリンの代わりにならない。ステロイドは効くまで数時間かかる。
- アドレナリンと輸液でも血圧が戻らなければ、ノルアドレナリンなどの昇圧薬を加える(初めには使わない)。β遮断薬を飲んでいる人でアドレナリンが効かなければ、グルカゴン。
- 使わない:β遮断薬(プロプラノロール)・ベラパミル・アトロピン(徐脈の薬)・イソプロテレノール(血管を広げ、血圧が下がる)。
自己注射薬と再発予防
| 自己注射薬 | アドレナリン自己注射薬(エピペン)を処方する。体重15 kg以上で0.15 mg、30 kg以上で0.3 mg。太ももの前外側に、服の上から打てる |
|---|---|
| 打つ人 | 本人・保護者。本人が打てなければ、その場の教職員・保育士が代わりに打つ。救急救命士も打てる |
| 打つとき | 声がかすれる・ゼーゼーする・くり返し吐く・ぐったりするなど、重い症状が1つでも出たら迷わず打つ。打ったら必ず救急車を呼ぶ |
| 二相性反応 | 症状がいったん治まって数時間後(多くは半日以内)に、再び症状が出ること。重い例は入院させて見る |
| 記録と確認 | 原因の薬・造影剤を、診療録の決まった場所に書く。造影の前には、前回の副作用を必ず聞く |
食物アレルギーと検査
食物アレルギーの多くは、乳幼児期に始まるIgEを介した即時型。湿疹のある皮膚から食物の抗原が入り、感作されることが多い(アトピー性皮膚炎と関係が深い)。
| 即時型 | 食べて2時間以内(多くは数十分)に、蕁麻疹・嘔吐・喘鳴、ときにアナフィラキシー。原因は鶏卵が最も多く、次いで木の実類・牛乳・小麦。鶏卵・牛乳・小麦は、年齢とともに食べられるようになることが多い |
|---|---|
| 新生児・乳児の消化管アレルギー | IgEを介さない。ミルクを飲んで数時間後に、嘔吐・血便・下痢・体重が増えない |
| 食物依存性運動誘発アナフィラキシー | 中学生〜若い成人。食べたあとの運動で起こる(→次の節) |
| 口腔アレルギー症候群 | 学童以降〜成人。花粉症の人が、果物・野菜で口の中だけかゆくなる(→次の節) |
検査
| 特異的IgE・プリックテスト | 感作を見る。プリックテストは皮膚の表面に抗原を少し入れ、15〜20分後の膨疹を見る。陽性でも、食べて症状が出るとは限らない |
|---|---|
| 食物経口負荷試験 | 原因食物を少しずつ食べ、症状が出るかを見る。確定診断と、食べられる量を決めるのに使う |
| ヒスタミン遊離試験 | 患者の好塩基球に抗原を加え、ヒスタミンが出るかを見る(即時型) |
| 皮内テスト | 抗原を皮内に注射する。入る量が多く、アナフィラキシーを誘発しやすい |
| パッチテスト | 貼って48〜72時間後に見る遅延型(Ⅳ型)の検査。即時型には使わない |
| リンパ球刺激試験 | 薬疹など、遅延型の薬のアレルギーに使う |
- 総IgE・好酸球数では、原因の食物は分からない。
- 治療は原因食物の必要最小限の除去。症状が出ない量までは食べてよい。
特殊な型:運動誘発・口腔アレルギー・ラテックス
食物依存性運動誘発アナフィラキシー
| 起こり方 | 原因食物を食べたあと(多くは2時間以内)に運動して、全身の蕁麻疹から呼吸困難・ショックへ。食べるだけ・運動するだけでは起こらない。解熱鎮痛薬(NSAIDs)・疲れ・入浴でも起こりやすくなる |
|---|---|
| 原因 | 小麦(ω-5グリアジン)が最も多く、次いで甲殻類(えび・かに)。イカ・果物なども |
| 検査 | 原因の候補でプリックテスト・特異的IgE。小麦ではω-5グリアジンの特異的IgE |
| 生活指導 | 原因食物を食べたら、2時間(できれば4時間)は運動しない。運動そのもの・原因食物そのものをやめる必要はない。自己注射薬を持つ。抗ヒスタミン薬などの予防内服では防げない |
口腔アレルギー症候群(花粉-食物アレルギー症候群)
- 果物・野菜を食べた直後に、口唇・口の中・のどのかゆみや違和感。数分で消え、多くは口の中だけで済む(ときに膨疹・息苦しさ)。
- 花粉症の人に多い。花粉と果物の抗原が似ている(交差反応):シラカンバ・ハンノキ→リンゴ・モモ・サクランボ・キウイ、イネ科・ブタクサ→メロン・スイカ・バナナ。
- 抗原は熱に弱く、加熱・加工すれば食べられることが多い。
- 診断はプリックテスト。生の果物に針を刺し、その針で皮膚を刺す方法(prick-to-prick)がよい。
ラテックスアレルギー
- 天然ゴム(ラテックスの手袋・カテーテル・風船)でIgEの反応が起こる。医療者、手術をくり返した人(二分脊椎など)に多い。
- キウイ・バナナ・アボカド・クリと交差反応する(ラテックス・フルーツ症候群)。これらの果物で症状が出たことのある人は、手術・処置をラテックスを使わずに行う。
- 医療者の喘息・蕁麻疹は、ラテックスでない手袋に替えれば仕事を続けられる。
似た病気との見分け
急な血圧低下・意識障害のとき
| 血管迷走神経反射 | 注射・穿刺の痛みや緊張のあと。徐脈・顔面蒼白・冷汗。膨疹・喘鳴はない。横にすれば戻る |
|---|---|
| 局所麻酔薬中毒 | 量が多い・血管内に入ったとき。口のまわりのしびれ・耳鳴りから、けいれん・不整脈。膨疹・喘鳴はない |
| 敗血症性ショック | 発熱と感染巣。初めは皮膚が温かい。蕁麻疹・喉頭浮腫は出ない |
| 熱中症 | 暑い中での運動・作業。高体温・大量の発汗。膨疹・喘鳴はない |
| 腸重積 | 乳幼児。間欠的に泣く・嘔吐・いちごゼリー状の血便。腹部に腫瘤 |
膨疹・むくみ・喘鳴のとき
| コリン性蕁麻疹 | 運動・入浴・緊張で汗をかくと、1〜4 mmの小さな膨疹が出る。ショックには進まない |
|---|---|
| 血管性浮腫 | 唇・まぶた・舌が深く腫れる。ACE阻害薬や遺伝性血管性浮腫(C1インアクチベーターの低下)では、かゆみ・蕁麻疹がなく、アドレナリン・抗ヒスタミン薬が効きにくい |
| 気管支喘息の発作 | 喘鳴・呼吸困難だけで、膨疹・血圧低下はない。β2刺激薬の吸入でよくなる |
| 気道異物 | 食べている最中の急なむせ込みと咳。皮膚の症状はない |
| 輸血のほかの副作用 | 輸血関連急性肺障害(TRALI)は、輸血後6時間以内の、心臓によらない肺水腫。輸血関連循環過負荷(TACO)は、量の多すぎによる肺水腫で、利尿薬を使う |
合格に必要な所だけ。まずはここを全部「習得」に。
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まずは基礎・標準から。応用は、基礎・標準の一問一答と○×がすべて習得になると開きます。あと 問。
一問一答
- Q1
ハチに刺されて数分後に、嗄声・喘鳴・全身の膨疹と血圧低下。考える病態は?★★★
アナフィラキシー(ショック)
以前にも刺されて感作された人に起こりやすい。刺された所が腫れて痛むだけなら、局所の反応にとどまる。
- Q2
アナフィラキシーの患者に、原因を探すため病歴で聞くことは?(4つ)★★★必修
直前の食事・ハチなどの刺傷・食後の運動・使った薬
原因が分かれば、次の発症を防げる。アトピー性皮膚炎があるかどうかは、今回の原因探しには直接つながらない。
- Q3
急に出た皮膚・粘膜の症状に、どれか1つが加わればアナフィラキシーと診断するものは?(3つ)★★★必修
呼吸器の症状・血圧低下(失神・失禁など)・強い消化器の症状
アナフィラキシーガイドライン2022の基準。血圧低下の目安は、成人で収縮期90 mmHg未満か、ふだんより30%以上の低下。
- Q4
卵で蕁麻疹が出たことのある3歳児。カステラを食べた後に突然吐き、蒼白で意識がもうろう。考える病態は?★★★必修
アナフィラキシーショック
子どもは嘔吐・腹痛など消化器の症状で始まることが多い(カステラには卵が入っている)。腸重積は、間欠的に泣く・血便。
- Q5
アナフィラキシーで、ショックに進んだことを示す所見は?★★★
頻脈・血圧低下(目の前が暗くなる・意識がぼんやりする)
血管が広がり血漿が漏れて、心臓に戻る血が減る。膨疹・鼻汁・喘鳴・嘔吐は、それだけではショックの目安にならない。
- Q6
アナフィラキシーで、声がかすれ、吸気性喘鳴が出てきた。起きていることは?★★★必修
喉頭浮腫(上気道の閉塞)
窒息の危険がある。すぐアドレナリンを打ち、気管挿管の準備(喉頭鏡)をする。呼気性の喘鳴は、気管支の収縮。
- Q7
アナフィラキシーと分かったら、まず使う薬は?★★★必修
アドレナリン
α作用で血管を縮めて血圧を上げ、むくみを減らす。β作用で気管支を広げ、肥満細胞からの放出も抑える。
- Q8
アナフィラキシーで、アドレナリンを打つ経路と部位は?★★★必修
筋注(大腿の前外側)
量は0.01 mg/kg(成人は最大0.5 mg、小児は最大0.3 mg)で、足りなければ5〜15分ごとにくり返す。皮下注は吸収が遅く、今は勧めない。
- Q9
抗菌薬の点滴中に、気分不良を訴えて意識を失った。応援を呼んで、まずすることは?★★★必修
点滴を止める(原因の薬の中止)
静脈路は残して、生理食塩液に替える。輸血・造影剤でも同じで、疑わしい局所麻酔薬も足さない。
- Q10
アナフィラキシーで、アドレナリンと同時に行う処置は?(3つ)★★★
酸素投与・気道確保・静脈路と急速輸液
喉頭浮腫に備え、喉頭鏡を手元に置く。輸液は生理食塩液か乳酸リンゲル液を急速に入れ、胃管は要らない。
- Q11
アナフィラキシーで、アドレナリンのあとに補助として使う薬は?(3つ)★★★必修
抗ヒスタミン薬・β2刺激薬の吸入・副腎皮質ステロイド
抗ヒスタミン薬はかゆみ・膨疹に、β2刺激薬は喘鳴に効くが、血圧と喉頭のむくみは戻せない。ステロイドは効くまで数時間かかる。
- Q12
アナフィラキシーを起こした人に、次に備えて処方するものは?★★★必修
アドレナリン自己注射薬(エピペン)
体重15 kg以上で0.15 mg、30 kg以上で0.3 mgの2種類。打ったら、よくなっても必ず受診させる。
- Q13
自己注射薬を持つ6歳児が、学校でアナフィラキシー。本人は打てず、救急車と家族はまだ来ない。打つのは?★★★
その場の教職員(担任教諭など)
命を救うための緊急の行為として、本人に代わって打ってよい。家族や救急隊の到着を待つと遅れる。
- Q14
造影剤でアナフィラキシーを起こした人の再発を防ぐために、必ずすることは?★★★必修
診療録の決まった場所に、副作用(原因の薬)を記録する
次の検査は、ほかの方法を考える。造影の前には、前回の副作用を必ず確かめる。
- Q15
ヨード造影剤のアナフィラキシーが起こりやすい時期は?★★★必修
投与の直後(多くは5分以内)
検査の終わりまで目を離さない。数時間〜数日後に出る皮疹(遅発性の副作用)もある。
- Q16
ヨード造影剤の即時型の副作用が起こりやすい人は?(2つ)★★★必修
前に造影剤で副作用が出た人・気管支喘息の人
ほかのアレルギーの病歴も聞く。造影剤腎症の危険因子(腎機能低下・脱水・高齢)とは分けて覚える。
- Q17
日本で、即時型食物アレルギーの原因として最も多い食物は?★★★
鶏卵
次いで木の実類(くるみなど)・牛乳・小麦。鶏卵・牛乳・小麦は、年齢とともに食べられるようになることが多い。
- Q18
即時型食物アレルギーの診断を確定する検査は?★★★
食物経口負荷試験
原因食物を少しずつ食べ、症状が出るかを見る。どこまで食べられるかも分かり、強い反応に備えてすぐ治療できる所で行う。
- Q19
食べて15分後にショックを起こした。原因の食物を探す皮膚の検査は?★★★
プリックテスト
皮膚の表面に抗原を少し入れ、15〜20分後の膨疹を見る(即時型)。血液の特異的IgEと同じく、陽性は感作を示すだけ。
- Q20
アレルギーの皮膚の検査で、アナフィラキシーを誘発する危険が最も高いのは?★★★
皮内テスト
抗原を皮内に注射するので、入る量が多い。抗菌薬を使う前の皮内反応では、アナフィラキシーを予知できない(今は行わない)。
- Q21
食物アレルギーの治療の基本は?★★★
原因食物の、必要最小限の除去
症状が出ない量までは食べてよい。食べられる量は、経口負荷試験で確かめる。
- Q22
昼食のあと体育の持久走中に、全身の蕁麻疹と喘鳴。同じ食事でも、運動しなければ何も起きない。病名は?★★★必修
食物依存性運動誘発アナフィラキシー
原因食物と運動が重なった時だけ起こる。運動しただけで出る小さな膨疹は、コリン性蕁麻疹。
- Q23
食物依存性運動誘発アナフィラキシーの原因で多い食物は?(2つ)★★★必修
小麦・甲殻類(えび・かに)
小麦が最も多く、ω-5グリアジンに対する特異的IgEが手がかりになる。うどん・パン・パスタのどれでも起こる。
- Q24
食物依存性運動誘発アナフィラキシーで、原因食物を食べたあと運動を避ける時間は?★★★
少なくとも2時間(できれば4時間)
運動の前には原因食物を食べない。屋外か屋内か、運動の種目は関係ない。
- Q25
リンゴを食べた直後に、口の中と喉だけがかゆくなり、数分で消えた。病名は?★★★
口腔アレルギー症候群
花粉症の人に多く、花粉と果物の抗原が似ている(シラカンバ・ハンノキとリンゴ・モモなど)。抗原は熱に弱く、加熱すれば食べられることが多い。
- Q26
口腔アレルギー症候群で、原因の果物を確かめる検査は?★★★
プリックテスト(生の果物を刺した針で皮膚を刺す)
果物の抗原は壊れやすく、市販の抗原液や血液の検査では陰性になることがある。
- Q27
子どもの頃キウイで膨疹が出た人の手術。医療者が気をつけることは?★★★必修
ラテックス(天然ゴム)のアレルギー
果物とゴムの抗原が似ている(ラテックス・フルーツ症候群。バナナ・アボカド・クリも)。手袋・カテーテルをラテックスでない物にして行う。
- Q28
ラテックス特異的IgEが高い看護師が、処置の介助中に喘鳴をくり返す。対応は?★★★
手袋をラテックスでない物に替える
原因を避ければ、仕事を続けられる。辞める・部署を替える・吸入薬を増やすのではない。
- Q29
アナフィラキシーショックの血行動態で、体血管抵抗・中心静脈圧・心拍出量は?★★★必修
↓・↓・保たれるか↑
血管が広がり、血漿が血管の外へ漏れる(血液分布異常性ショック)。中心静脈圧が早くから上がるのは、緊張性気胸・心タンポナーデなどの閉塞性ショック。
- Q30
アナフィラキシーショックの患者に、とらせる体位は?★★★
仰臥位で下肢を挙上する
急に座らせたり立たせたりすると、心臓に戻る血が減り、心停止を起こしうる。息が苦しければ楽な姿勢、吐いていれば顔を横に向ける。
- Q31
アナフィラキシーの症状が治まっても、重い例をしばらく入院させて見るのはなぜ?★★★必修
二相性反応(数時間後に再び症状が出る)がありうるから
多くは半日以内に起こり、ときに1〜3日後。帰すときは、自己注射薬と、症状が出たらすぐ受診することを伝える。
- Q32
注射・穿刺の痛みのあと、顔面蒼白・冷汗で血圧が下がり、脈は遅い。膨疹と喘鳴はない。考えるのは?★★★
血管迷走神経反射
横に寝かせ、下肢を上げれば戻る。アナフィラキシーなら頻脈で、喘鳴や膨疹を伴う。
選択肢の○×
治療
- 2
アナフィラキシーには、まずアドレナリンを静注する。114A01
筋注で始める。静注は不整脈・高血圧を起こしやすく、心停止のときや、筋注と輸液でも戻らないショックに、モニターしながら少量ずつ使う。 - 3
アドレナリンは、血圧が下がってショックになってから打つ。117E18
アナフィラキシーと判断した時点で打つ。遅れるほど命に関わる。 - 4
不整脈や心臓病のある人には、アナフィラキシーでもアドレナリンを使わない。117E18
アナフィラキシーでは、打ってはいけない人はいない。高齢者・心臓病の人・妊婦でも、打つ利益のほうが大きい。 - 5
アナフィラキシーの頻脈には、β遮断薬(プロプラノロール)やベラパミルで脈を落とす。禁忌103F23105H24106C25107E62108E57103D23
頻脈は、下がった血圧を補う反応。β遮断薬は気管支を縮め、アドレナリンも効きにくくする。β遮断薬を飲んでいる人でアドレナリンが効かなければ、グルカゴンを使う。 - 6
アナフィラキシーショックでは、アトロピンで心拍数を保つ。101D20105H24106C25106G61107E62108E57113D18116E37119E41
アトロピンは徐脈の薬で、アナフィラキシーの多くは頻脈。脈が遅く膨疹がなければ、迷走神経反射を考える。 - 7
アナフィラキシーショックでは、アドレナリンより先にノルアドレナリンやドパミンで血圧を上げる。107E62110G63113D18101D20103F23
これらは気管支を広げず、肥満細胞も抑えない。アドレナリンの筋注と輸液でも血圧が戻らないときに加える。
再発予防
- 8
救急救命士は、患者に処方された自己注射薬で、アドレナリンを打つことができる。115C46
現場から指示を求められたら、自己注射薬の使用を指示する。救急救命士の気管挿管は心停止の人に限られ、気管支拡張薬の静注はできない。
食物
原因
- 12
アナフィラキシーは、T細胞が担う遅延型(Ⅳ型)アレルギーである。107G14
IgEと肥満細胞によるⅠ型(即時型)。Ⅳ型は接触皮膚炎やツベルクリン反応。
治療
- 13
ハチ刺傷のアナフィラキシーの喘鳴とショックには、イソプロテレノールを静注する。104B49
β作用だけで血管を広げ、血圧をさらに下げる。α作用もあるアドレナリンを筋注する。
食物
- 14T細胞の反応を見る検査で、薬疹など遅延型の薬のアレルギーに使う。
- 15
血清の総IgEが高ければ、原因の食物が分かる。120D66
総IgEはアトピーの体質の目安にすぎない。原因を探すのは、食物ごとの特異的IgEとプリックテスト。好酸球数も原因は示さない。 - 16
ヒスタミン遊離試験は、即時型食物アレルギーの検査として使える。115F23
患者の好塩基球に抗原を加え、ヒスタミンが出るかを見る。IgEを介した即時型の反応を見ている。 - 17
新生児・乳児の消化管アレルギー(食物蛋白誘発胃腸症)は、IgEを介して起こる。111D01
IgEを介さない反応。ミルクを飲んで数時間後に、嘔吐・血便・体重が増えないなどが出て、特異的IgEは陰性のことが多い。 - 18
乳児の食物アレルギーは、アトピー性皮膚炎と関係がない。111D01
湿疹のある皮膚から食物の抗原が入り、感作されやすい(経皮感作)。乳児のアトピー性皮膚炎には、食物アレルギーの合併が多い。
特殊な型
- 19
食物依存性運動誘発アナフィラキシーは、乳児期に多い。111D01
中学生〜若い成人に多い。口腔アレルギー症候群も学童以降〜成人に多く、乳児期に多いのは鶏卵・牛乳などの即時型。