予防接種
ワクチンの種類と間隔から、制度・時期・BCGの反応まで
31問
第101〜120回
マーカー 3回以上出題点線 1〜2回出題
まずこれだけ
- 生ワクチンはBCG・MR・水痘・ロタと、任意接種のおたふくかぜ。ほかは不活化。注射の生ワクチンどうしを別の日に打つときだけ、27日以上あける。
- 定期接種は市町村が行う。A類疾病は努力義務で、強制ではない。B類は高齢者のインフルエンザ・肺炎球菌など。おたふくかぜ・髄膜炎菌は任意接種。
- 生後2か月から5種混合・肺炎球菌・B型肝炎・ロタ、1歳と就学前の1年にMR。BCGの接種後10日以内に強い反応が出たら、コッホ現象を考えてツベルクリン反応。
生ワクチンと不活化ワクチン
生ワクチンは、弱めた生きた菌やウイルス。不活化ワクチンは、殺した病原体やその成分(毒素を無毒にしたトキソイドを含む)。
| 生ワクチン | 不活化ワクチン | |
|---|---|---|
| 定期接種 | BCG・MR(麻疹・風疹)・水痘・ロタウイルス | 5種混合(DPT-IPV-Hib)・小児用肺炎球菌・B型肝炎・日本脳炎・HPV |
| 任意接種 | おたふくかぜ・経鼻インフルエンザ | インフルエンザ(注射)・髄膜炎菌・A型肝炎 |
| 妊娠中 | 接種しない | 接種できる |
| 免疫グロブリン大量療法のあと | 6か月以上延ばす | 延ばさない |
| 免疫抑制薬・ステロイドの使用中 | 原則として接種しない | 接種できる |
接種のしかた
| 経口 | ロタウイルス。ポリオは2012年に、経口の生ワクチンから不活化ワクチンの注射に変わった |
|---|---|
| 経皮 | BCG(管針を上腕に押しつける) |
| 皮下注射 | MR・風疹・水痘など、日本の多くのワクチン |
| 筋肉注射 | HPVなど |
接種の間隔(2020年10月から)
- 注射の生ワクチンのあと、別の注射の生ワクチンまでは27日以上あける(MRと水痘を別の日に打つときなど)。
- 不活化ワクチンや経口のロタとの組み合わせには、間隔の決まりがない。
- 何種類でも同時に接種できる。
- 同じワクチンをくり返すときは、それぞれの間隔を守る(水痘の2回目は3か月以上あける)。
予防接種法と任意接種
定期接種は予防接種法で決まっている(健康増進法・感染症法ではない)。
| 実施主体 | 市町村(市町村長)。都道府県・教育委員会ではない |
|---|---|
| A類疾病 | 流行と重い病気を防ぐ。子どもの定期接種とHPV。努力義務がある(子どもでは保護者)が、義務(強制)ではない。費用は公費で、ふつう無料 |
| B類疾病 | 主に個人の重症化を防ぐ。高齢者のインフルエンザ・肺炎球菌感染症、新型コロナ、帯状疱疹。努力義務はなく、一部自己負担がある |
| 副反応 | 副反応を疑う症状を知った医師が、厚生労働大臣に報告する(接種を受けた人の義務ではない) |
| 健康被害 | 国の救済制度がある |
| 医療保険 | 健康保険の給付の対象外。国民医療費にも入らない |
- 2013年から「A類・B類疾病」と呼ぶ。1〜5類は感染症法の分類。
任意接種(定期接種でないもの)
- おたふくかぜ:日本小児科学会は1歳と就学前の2回を勧める。
- 子どものインフルエンザ:定期接種になるのは65歳以上など。
- 髄膜炎菌:脾臓がない人・補体阻害薬を使う人・寮生活をする人に勧める。
- 水痘(2014年〜)・B型肝炎(2016年〜)・ロタ(2020年〜)は、今は定期接種。
定期接種の時期
| 生後2か月 | 5種混合(DPT-IPV-Hib)・小児用肺炎球菌・B型肝炎・ロタを同時に始める。5種混合は3回と追加1回、B型肝炎は1歳までに3回 |
|---|---|
| 生後5〜8か月 | BCG(1歳になるまで)。ツベルクリン反応をせずに直接打つ |
| 1歳 | MR 1期・水痘(3歳までに2回)・小児用肺炎球菌の追加 |
| 3歳 | 日本脳炎(3歳で2回、4歳で追加。9歳で2期) |
| 就学前の1年(年長) | MR 2期 |
| 11歳 | 2種混合(DT) |
| 小6〜高1相当の女子 | HPV(標準は中学1年) |
| 65歳 | インフルエンザ(毎年)・肺炎球菌(B類) |
- 4種混合(DPT-IPV)とHibは、2024年度から5種混合にまとまった。
- Hib・小児用肺炎球菌は、5歳になると定期接種の対象から外れる。
接種の前に確かめること
| 接種しない | 明らかな発熱(37.5℃以上)・重い急性の病気・そのワクチンでアナフィラキシーを起こした人・妊娠中の生ワクチン・ロタでは腸重積の既往 |
|---|---|
| 詳しく確かめる | 家族の先天性免疫不全症(本人もそうなら、生ワクチンの菌やウイルスが全身に広がる)・同居家族の結核(すでに感染していれば、BCGでコッホ現象が出る)・けいれんの既往・心臓や腎臓などの病気 |
| 接種してよい | 体温37.0℃・早産・低出生体重(生まれた日からの月齢で打つ)・器質的な心疾患のない卵円孔開存・母親の卵アレルギー・2週間前の不活化ワクチン |
風疹ワクチンと妊娠
- 妊娠中に風疹抗体が陰性と分かったら、妻は産後に接種し、夫はすぐに接種する。
- 風疹ワクチンのあとは2か月避妊する。
- 成人は、抗体を測らずに接種してよい。
BCGの接種部位の反応
BCGはウシ型結核菌を弱めた生ワクチン。管針で上腕に2回押して接種する。接種部位の変化は、接種から何日目に出たかで分ける。
| ふつうの反応 | コッホ現象 | |
|---|---|---|
| 出る時期 | 接種後10日ごろから。4週ごろが最も強い | 接種後10日以内(多くは数日以内) |
| 見た目 | 針の跡に一致した発赤と小さな膿疱。かさぶたになり、3か月ほどで小さな瘢痕 | 強い発赤・腫脹・膿疱。2〜4週で消える |
| 意味 | 免疫がついてきたしるし | すでに結核に感染している |
| 対応 | 心配ないと説明する(検査も薬も要らない) | ツベルクリン反応。陽性なら胸部X線などで結核を調べる |
- コッホ現象に、膿の抗酸菌染色・培養やCRPは役立たない。すぐに抗結核薬を飲ませることもしない。
- 川崎病では、BCGの接種痕が赤く腫れることがある(発熱が続く乳幼児)。
画像で出たら 上腕の接種部位に、管針の跡に一致した赤い点や膿疱が並ぶ(9本の針×2回で18個)。接種後数日でこれが強く出ていればコッホ現象、3〜4週ならふつうの反応。
ワクチンで防ぐ病気
接種率が上がると、免疫のない人(感受性者)が減り、集団の罹患率が下がる。
| Hib・肺炎球菌 | 定期接種で、乳幼児の細菌性髄膜炎が激減した |
|---|---|
| HPV | 子宮頸癌を防ぐ。できた異形成を治す力はない |
| B型肝炎 | 慢性肝炎・肝細胞癌を防ぐ。HBs抗原陽性の母から生まれた児には、生後すぐHBIGとHBワクチン |
| おたふくかぜ | ムンプス難聴(片側で治りにくい)も防げる |
| 風疹 | 先天性風疹症候群を防ぐ。1962〜1979年度生まれの男性は定期接種の機会がなく、抗体のない人が多い |
| BCG | 乳幼児の重い結核(粟粒結核・結核性髄膜炎)を防ぐ |
| ロタ | 乳幼児の重い胃腸炎(脱水・入院)を減らす |
合格に必要な所だけ。まずはここを全部「習得」に。
表示の設定
まずは基礎・標準から。応用は、基礎・標準の一問一答と○×がすべて習得になると開きます。あと 問。
一問一答
- Q1
定期接種で使う生ワクチンは?(4つ)★★★
BCG・MR(麻疹・風疹)・水痘・ロタウイルス
任意接種のおたふくかぜも生ワクチン。5種混合・肺炎球菌・B型肝炎・日本脳炎・HPVは不活化。
- Q2
注射の生ワクチンのあと、別の注射の生ワクチンを打つまでにあける間隔は?★★★
27日以上
MRと水痘を別の日に打つときなど。同じ日に同時接種するなら、間隔は要らない。
- Q3
今、日本で口から飲ませるワクチンは?★★★必修
ロタウイルスワクチン(生)
ポリオは2012年に、経口の生ワクチンから不活化ワクチンの注射に変わった。
- Q4
風疹ワクチン(MR)の接種経路は?★★★必修
皮下注射
日本では多くのワクチンが皮下注射。BCGは管針で皮膚に押し(経皮)、HPVワクチンは筋肉注射で、静脈に打つワクチンはない。
- Q5
免疫グロブリン大量療法のあとでも、延期しなくてよいワクチンは?★★★
不活化ワクチン(5種混合・Hib・肺炎球菌など)
MR・水痘・おたふくかぜなど注射の生ワクチンは、入れた抗体に弱められるため6か月以上延ばす。
- Q6
定期接種の実施主体は?★★★必修
市町村(市町村長)
対象者への通知も費用の負担も市町村。都道府県・教育委員会ではない。
- Q7
B類疾病として、65歳で定期接種を受けるワクチンは?(2つ)★★★
インフルエンザ(毎年)・肺炎球菌
主な目的は個人の重症化予防で、努力義務はない。新型コロナ・帯状疱疹もB類。
- Q8
子どものワクチンで、任意接種のままなのは?★★★
おたふくかぜ(ムンプス)ワクチン
日本小児科学会は1歳と就学前の2回を勧める。子どものインフルエンザも任意で、水痘・B型肝炎・ロタ・HPVは定期接種。
- Q9
生後2か月で始める定期接種は?(4つ)★★★
5種混合(DPT-IPV-Hib)・小児用肺炎球菌・B型肝炎・ロタウイルス
同時接種で受ける。4種混合(DPT-IPV)とHibは、2024年度から5種混合1本になった。
- Q10
MRワクチンの2期を受ける時期は?★★★
小学校入学前の1年間(年長)
1期は1歳。2回打って、1回では免疫がつかなかった人を減らす。
- Q11
BCGを接種する時期は?★★★
1歳になるまで(標準は生後5〜8か月)
早く打つと骨炎などの副反応がやや多いため、標準を5〜8か月にしている。以前は生後6か月までだった。
- Q12
HPVワクチンの定期接種の対象は?★★★
小学6年〜高校1年相当の女子
標準は中学1年。不活化ワクチンで、筋肉注射する。
- Q13
ロタウイルスワクチンを接種しない既往は?★★★
腸重積
接種のあと腸重積がわずかに増えるため。初回は生後14週6日までに受ける。
- Q14
接種の日に、接種を見合わせる体温は?★★★
37.5℃以上
37.0℃なら接種できる。発熱のほか、重い急性の病気や、そのワクチンでアナフィラキシーを起こした人にも接種しない。
- Q15
BCGの予診で、詳しく確かめる家族の情報は?(2つ)★★★
家族の先天性免疫不全症・同居家族の結核
本人も免疫不全なら、生きた菌が全身に広がる。すでに結核に感染していれば、コッホ現象が出る。
- Q16
BCG接種の2〜3日後から、接種部位が強く赤く腫れた。まず行う検査は?★★★
ツベルクリン反応(コッホ現象を疑う)
接種後10日以内の強い反応は、すでに結核に感染しているしるし。陽性なら胸部X線などで結核を調べる。
- Q17
定期接種で、乳幼児の細菌性髄膜炎が大きく減った菌は?(2つ)★★★
インフルエンザ菌b型(Hib)・肺炎球菌
どちらも乳幼児の細菌性髄膜炎の主な原因菌だった。百日咳は髄膜炎を起こさず、日本脳炎は脳炎。
- Q18
ワクチンの接種率が上がると、集団で下がるのは?★★★
罹患率
免疫のない人(感受性者)が減り、流行が広がりにくくなる。潜伏期間・罹病期間は病原体で決まり、変わらない。
- Q19
日本脳炎ワクチンを標準で始める年齢は?★★★
3歳
不活化ワクチン。3歳で2回、4歳で追加、9歳で2期。生後2か月や1歳では打たない。
選択肢の○×
種類
制度
- 2A類疾病は努力義務で、強制ではない。B類疾病には努力義務もない。
- 3A類はふつう無料。B類(高齢者のインフルエンザ・肺炎球菌など)は一部自己負担がある。
- 4報告の義務があるのは、その症状を知った医師。厚生労働大臣に報告する。
- 5病気の治療ではないので対象外。国民医療費にも予防接種の費用は入らない。
- 6任意接種。脾臓がない人、補体阻害薬を使う人、寮生活をする人などに勧める。
時期
- 7
乳児には、ツベルクリン反応で陰性を確かめてからBCGを接種する。102B22
2005年から、乳児はツベルクリン反応をせずに直接接種する。
予診
- 8
風疹抗体が陰性の妊婦の夫は、妻の出産が終わってから風疹ワクチンを受ける。108I40
夫はすぐに受け、家庭で妻にうつさないようにする。妻は妊娠中は打たず、産後に受ける。
BCG
- 9
BCG接種の約4週後に、針の跡に一致して赤く腫れ膿をもてば、ツベルクリン反応で結核を調べる。115D47
接種後10日ごろから出て4週ごろに最も強くなる、ふつうの反応。心配ないと説明する。